幼稚園死闘編⑤「春が来た!」

3/26幼稚園から連絡があった。妻と息子が幼稚園に行くと念書らしきものを提示される。

 

そこには入園に際して、幼稚園の現状の施設環境や教員体制を理解したうえで、園生活には、保護者が必ず付き添い、保護者の責任において、安全に配慮します。との文言が入っていた。

 

妻は持ち帰って相談するということで保留したそうだが、賢明な判断だったと思う。このような文章を残すことは、あとに続く人たちのプラスになることはないと考えられるし、そもそも他の入園希望者が書いていないものを、なぜ我が家だけが書かなければならないのかということに疑問があった。

 

また数日が過ぎて、ついに4月となり新年度がスタートした。このままでは無所属かと思われたが、4/3に幼稚園で打ち合わせが決まった。どうやらこの間、教育委員会と我々の間に入ってくれた市会議員さんが、いろいろ折衝し、調整をしてくれたようである。ここ一番と思い定めて私は仕事を休み(本来なら仕事的に、新年度始まってすぐには休めないのだが)、息子は通園用に使うため自分で選んだ黄色いカバンをもって幼稚園に行った。

 

両親と支援者の方と、市会議員さん、教育委員会の方、幼稚園の先生方総勢13名に囲まれ息子は緊張の面持ちだった。今回は、前回とは一転し、先日の念書らしきものは提示されず、入園許可書(入園式でもらう)に「保護者付き添いのもと」という一文と誓約書(入園式以降に全員が提出するもの)に「幼稚園の人的配置を理解したうえで」の付けたしがあるということを、両親が了承した。

 

この年度から新しく赴任した園長先生から、直接息子に「入園予定者通知書」が手渡された。それまで緊張していた息子が、一気に笑顔を爆発させた。最高の笑顔だった。それを見て、あきらめなくて本当に良かったと思った。

 

長い長い冬が終わり、やっと春が来た。

 

だがしかし、これがゴールではなく、ここからがスタートなのだ。入園式までの数日間、バタバタと忙しく過ごした。事実上の地域生活デビューに向けて。BGMは歌詞が気に入っているスピッツの「春の歌」

 

しかし、当時は障害者差別解消法もなかった時代であった。現在は、その障害者差別解消法も施行されているのである。当たり前のことなのだが、本人や保護者が望む入園入学先でスムーズに新生活がスタートできるような社会にならなくてはいけないと切に思う。

 

子どもたちにとっては一生に一度しかない入園入学の春なのだから。