小学校付き添い編⑩「GoToエレベーター1」

息子が1,2年生のときの教室は、校舎の1階だった。教室を移動して受ける授業も少なく、運動場へ行くのも楽々だった。以前小学校付き添い編⑤「無限軌道再び」でも書いたが、

当時息子の小学校にエレベーターはついていなかった。そのため息子の学校内での上下移動には不安を抱えていた。

 

息子が小学1年生入学の2015年当時、学校にエレベーターが設置できるかどうかという法的根拠は弱かった。2006年のバリアフリー法では、学校施設はなぜか対象外とされていた。翌2016年に障害者運動において大きな期待を持ってその施行を迎えられた障害者差別解消法にあってさえ、第4条第2項に、「社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない」というに留まっている。なんともまわりくどい言い回しでこの場合の『過重な負担』がどの程度なのかハッキリしておらず、設置側からの解釈次第ではどうとでも取れてしまうものだった。

2021年4月になってやっとバリアフリー法が改正され、学校などもバリアフリーが義務づけられた。詳しくはこちらでhttps://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/442005.html

また6月には医療的ケア児支援法が成立し、法整備されてはきている。これらを、行政側に恣意的に使われることなく、真に当事者のために活かすためには、今後もより一層、当事者・家族・支援者が声をあげ続けなければならないと考えている。

 

話は息子の場合に戻るが、小学校入学前から教育委員会に要望を続け、当時の校長先生からも避難所指定を受けている学校にエレベーターは必要であると言った働きかけもあった。そしてもちろん、バリアフリー促進には根拠として弱い、というようなことを書いてしまったが、前述の障害者差別解消法が大きく後押ししてくれたことは間違いない。息子が2年生のときようやくエレベーター設置に向けて動き出した。息子の学校には校舎が2棟あり、エレベーターが2台つくのかなと思っていたが、どうやらエレベーターは1台で校舎間は渡り廊下が設置されるということだった。思ったより大掛かりな工事にはなりそうだったが、予定では、息子が3年生の間中にはすべての工事が完了し、4年生に進級するまでには運用可能になるということであった。

しかし、ここで思わぬアクシデントが起こった。次回へ続く