幼稚園死闘編⑪「届いた就学通知書」

親の付き添いはあったものの、息子は幼稚園のみんなと一緒に春夏秋冬、遠足、運動会、発表会と駆け抜けていった。雨の日も大雪の日も元気に幼稚園に通園した。

 

そんな幼稚園年長の冬の日に我が家に就学通知書が届いた。教育委員会との就学に関する話し合いで「地域の学校の普通級に行きます」と伝えてはいたが、いざ通知書が届いた時には、なんだか心がざわついた。通知書のシールをはがすと、就学先として、ちゃんと地元の小学校の名前があり安堵し、ちょっと感動した。安堵はしたが、同時に自分自身に対してふつふつと怒りが込み上げてきた。「地域の学校へ入学の就学通知が届く、そんなあたりまえのことに何を感動しているのか」と。自分の子どもを差別しないと、腹をくくって覚悟していても、不意におかしな感情が顔を見せることがある。このことは日々自戒しておかなければならない。

 

ともかく、息子は地域の小学校入学が決まった。これはひとえに、息子の前を行ってくれた人たちが、文字どおり「命をかけて」道を切り拓いてくれたからだと、感謝している。そして我が家は後から来る人の支えになろうと決めた。

しかしながら、全国では本人や保護者が地域の学校を希望しているにも関わらず、なんだかんだと理由をつけて他の学校に就学させる差別的な取り扱いや、また希望通り入学できたとしても、勝手に入学をゴリ押ししてきたと言わんばかりの態度をとり、充分な合理的配慮を提供しない事例が、山のようにある。

 

誰もが希望する場所での就学通知書が受け取れる、そんな社会にしていきたい。