小学校付き添い編⑦「運動会・春」

息子の通う小学校区では、春は地域主催と秋は学校主催の運動会が行われる。

息子が1年生の春の運動会は、入学後すぐに訪れた実質的な地域へのデビュー戦だった。

地域の方に、息子のような車いすに乗って人工呼吸器をつけて生活している医療的ケア児が、元気に学校に通ってますよという絶好のアピールになると思っていた。

 

1年生の出場種目は、かけっこと玉入れが予定されていた。幼稚園の運動会では、親のどちらかが息子の付き添いを余儀なくされていた。小学校入学後は支援アシスタントと学校看護師が配置されたことで、初めて運動会を両親そろって観客席から見ることができた。

当たり前のことが、当たり前にできる。地域の学校に入ってふつうを実感した出来事だった。

 

入場行進では1年生の最後尾で目立っていて、会場に少しざわめきもあったが、堂々と行進して準備体操もしっかりやっていた。この地域の運動会には地元の議員も来賓で大勢来ている。昨年の運動会では広島選出の夫婦で有名になった某代議士が、息子と学校看護師に何やらアピールしていた。

 

息子はかけっこで、男性支援アシスタントというターボエンジンを装備して臨んだ。号砲とともに駆けだし、車いすで跳ねながら1着でゴールした。跳ねとんだことと1着になったのが余程うれしかったのか、笑顔が印象的だった。観客席からはどよめきが巻き起こり、大きな拍手と大歓声が沸き上がった。

 

玉入れでは、飛んでくる玉が息子のところに溜まっていく。チームメイトがそれを次々投げ入れて行くのが要領いいな~と感心したものだった。

 

両親ともに町内会対抗の競技に出場して、久々に熱くなったものだが、いただく景品の量にもびっくりした。

そして、運動会の終わりには家族全員がヘロヘロになっていた。妻は終始「楽しい楽しい」と言っていてヘロヘロになった分、楽しさと充実感もたんまり味わえた運動会だった。

 

こうして地域の運動会・春でのデビュー戦は無事に終了した。

次回は「運動会・秋」をつぶやきます。